金属らしくない合金

 

アクチュエーターワイヤー

アクチュエーターワイヤーには、形状記憶ニチノールが使用されており、2つの異なる相の間で変態を繰り返す材料特性が活かされています。 室温では、マルテンサイト相状態になります。 ワイヤーは、荷重を加えることにより伸長し、それから、電流またはその他の手段で加熱すると相変態します。

変態温度を超えて加熱すると、回復して、オーステナイト相に変態し、ワイヤーが機能します。つまり、元の長さに戻り、荷重を持ち上げたり、または荷重を加えたりできます。 温度が下がるとマルテンサイト相に戻り、荷重を加えるとワイヤーが再び伸長し、サイクルを繰り返せるようになります。

 

特長の紹介

ニチノールは、独自の特性により、サイズに比して性能を提供します。 アクチュエーターワイヤーは、小型で軽量かつ静かであり、従来のものよりも長持ちします。 さらに、アクチュエーターワイヤーは、取り扱いやすいように、カットされた状態またはスプールで購入できます。

 

標準的な最終用途

アクチュエーターワイヤーは、多くの場合、スペースが限られ、軽量機器が必要とされる以下のような業種で使用されます。

  • 自動車
  • 航空宇宙
  • アクティブテキスタイル
  • 家電

 

設計仕様

アクチュエーターワイヤーをご希望の用途で使用する場合は多くの考慮事項があります。 当社のエンジニアリングチームとご相談の際には、以下の情報を参考としてご利用ください。

 

サイズ範囲と機能パラメーター

アクチュエーターワイヤーは、スプールまたは指定の長さで購入可能であり、サイズ範囲やアクチュエーション温度が異なるものが用意されています。 当社のアクチュエーター計算ツールと以下の表を使用して、可能性を模索してみてください。.

製品
  サイズ範囲  
As
推奨
適用
応力
 ヒステリシス幅
アクチュエーター
ワイヤー
スプール
0.0762~0.5842 mm
(0.003~0.023インチ)
70~95°C
(158~203°F)
100~150 MPa
(14.5~21.75 ksi)
30±5°C
(54±9°F)
1 m
指定の
長さ
0.1524~0.5842 mm
(0.006~0.023インチ)
50~95°C
(122~203°F)
100~150 MPa
(14.5~21.75 ksi)
30±5°C
(54±9°F)

Asおよびヒステリシス幅は、適用応力150 MPaに基づく値です。 推奨適用応力の値は、ストローク性能と疲労寿命が最大の場合の値です。 この範囲外の適用応力も、アクチュエーターの設計要件によっては使用が可能です。

当社では、手がかりとして標準的なサイズ範囲と機能パラメーターを提示していますが、常に新たな革新のための手法を模索しています。 記載されている仕様を超える場合でも、当社の営業窓口にお問い合わせください。さまざまな可能性についてご相談に乗らせていただきます。

重要な用語

アクチュエーターワイヤーの設計では、いくつかの特定の用語が使用されます。 エンジニアと相談する際に認識を共有できるようにするため、最も重要ないくつかの用語を以下に記載して説明します。

  • Asとは、オーステナイト変態開始温度のことであり、アクチュエーター用途では「アクチュエーション開始」温度とも呼ばれます。 これは、材料が特定の荷重の下で変態して作用する温度です。
  • 適用応力とは、用途でアクチュエーターワイヤーにかけられる荷重またはバイアス圧力の量の結果です。 製品寿命のための最適な応力は100~150 MPaです。 適用応力の量は、アクチュエーション開始温度にも影響します。
  • 疲労寿命は、熱機械分析サイクルを使用して、または、特定の適用応力の下で材料が熱サイクルによって相転移できる回数によって判別されます。
  • ヒステリシス幅とは、オーステナイト変態温度とマルテンサイト変態温度の差です。 この温度差は、アクチュエーターがアクチュエーションのために加熱された後にリセットされる早さに対応しています。

 

製品フォームと性能

アクチュエーターワイヤーに加え、当社の他の加工技術や試験機能もご利用になれます。 アクチュエーターワイヤーは、ご希望の用途に合わせてカスタマイズされるので、その他の加工や試験の評価は個々のケースに応じて行われます。 詳しくは、最寄りの営業窓口までお問い合わせください。

  • 機械組立部品には、クリンプ、フィッティング、専用部品が含まれています。
  • 熱機械分析試験
    • ASTM E3097準拠の荷重時の熱特性評価
    • スプリングシミュレーションによる変動荷重での熱特性評価
    • 異なる環境温度における材料の電気的反応